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2017年07月23日

シリーズ『オーストロネシア語族〜その参』

さて、シリーズ三回目になりましたオーストロネシア語族特集です。

中国語では南島族と呼ばれている事は昨日お伝えしましたが。

一昔前までは『南から北上してきた!。』

『否!北から南下したのだ!。』

という2つの説がありました。

その頃、私はそんな事も知らずに只々彼らの楽器の数々を眺めていたのですが、ある時ふと。

『あ〜、台灣の原住民がカヌーでフィリピンへ渡って、それから各地へ散ったのだな。』

と、腑に落ちました。

ちょうどその頃に来沖していた、オーストロネシア語族の機織り物研究をされているフィリピン大学のノーマ教授と南風原文化センターでお話しする機会を得て、お互い興味のあるオーストロネシア語族の事を。一方は織物、一方は楽器について、それはそれは盛り上がって3時間ほど話し混んでしまった事がありました。

『彼らの大部分は竹の口琴や鼻笛、竹筒琴を持っているんですが、台灣には竹筒琴が無いんです。だから台灣で彼らは竹の口琴をポケットに、鼻笛を手にカヌーでフィリンピンに渡り、そこで竹筒琴を開発して各地に散ったのでしょうね。』

シリーズ『オーストロネシア語族〜その参』
*写真は台灣の鼻笛。

持論を展開する私にノーマ教授は。

『言語学的見地から2つの説があり、あなたの説はそのうちの一つに合致しています。ただ、楽器からこの結論に至った方は私の知る限りあなただけですから、どうぞ研究を続けてくださいね。』

そうおっしゃってくださいました。

時は経ち、台灣での遺跡の発見があったり。

言語学的に台灣の原住民にオーストロネシア語の初期の特徴が見られる事から、現在では南下説が有力となりました。


楽器自体は食べられませんし、これが上手に演奏できるからと必ずしも稼げるわけでは無く。

というよりもだいたい音楽家は貧乏していて、私もアルバイトしてますけど。

人類の歩んで来た道を知る事にちょっとだけ貢献できたりして嬉しいです。

さて、もうちょっとシリーズ『オーストロネシア語族』つづきます。





コウサカワタルの↓

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